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2020.04.14

VC(ベンチャーキャピタル)のビジネスモデルを徹底解説!

スタートアップや投資家にとって非常に重要な存在である「ベンチャーキャピタル(VC

)」ですが、どういう目的、流れでビジネスが進んでいるかご存知でしょうか?それを理解したうえでベンチャーキャピタルにコンタクトを取るだけでも、出資を受けられる可能性は高まるかもしれません。

今回の記事では、ベンチャーキャピタル(VC)の役割と仕組みなど基本的な事項をご紹介します。

ベンチャーキャピタル(VC)の仕事や投資の種類

ベンチャーキャピタル(VC)とは?

ベンチャーキャピタル(VC)とは、スタートアップなど金融機関からの融資が難しい企業に対して投資をする企業のことです。ベンチャーキャピタル(VC)は、主に未上場企業で将来有望な企業に投資をし、その企業がIPO(株式公開)などを行った場合に、そこで株式を売却して得られるキャピタルゲインによって収益をあげていきます。

ベンチャーキャピタル(VC)の3つの仕事

ベンチャーキャピタル(VC)は、主に投資資金の調達、有望な企業を探し出して投資、投資先企業の支援(磨き上げ)の3つの業務を行っています。

 

①資金集め

もちろんベンチャーキャピタル(VC)単独では資金の限界があります。そのため、ベンチャーキャピタル(VC)はファンド(複数の投資家の資金を用いる仕組み)を組成し、ファンドに集まった資金から各企業へ投資を行います。

 

②有望な投資先を探し出して投資活動

将来性のあるスタートアップ企業を探し出して、ファンドに集まった資金をもとに出資します。スタートアップ企業がまだ株式を公開していないときに出資を行い、IPOやM&Aにより株式や事業を売却することで利益を得ることを目的としています。

 

③投資先支援

投資失敗のリスクを避けるため、ベンチャーキャピタル(VC)は投資先企業に資金以外にもリソースを送り込み支援を行います。投資先に人を派遣し経営参加する場合もあれば、外部でコンサルティングを行う場合もあります。

ンチャーキャピタル(VC)が行う投資の種類は上場株式と未上場株式(プライベートエクイティ)に分類される

ベンチャーキャピタルが組成する投資ファンドは、上場株式にも投資を行っています。しかし、ベンチャーキャピタルはハイリスク・ハイリターンの投資姿勢ですので、リスクが少なくリターンが小さい上場株式よりも、スタートアップなど未公開株への投資が主流となっています。投資には幾つかの種類があります。

 

・インキュベーション投資

インキュベーターとは、本来、「生まれたばかりの乳児を育てる保育器」を意味します。起業家志望者や設立間もない企業に対して資金や経営ノウハウなどを提供して企業の成長を支援する投資です。

 

・ベンチャー投資

将来的に高い成長率が期待できるベンチャー企業に対して投資を行い、IPOなどイグジットにより、高いリターンを目指す投資です。

 

・バイアウト投資

スタートアップや経営不振企業の株式を買い占め、ハンズオンによる経営支援を行うことで企業価値を高め、株式や事業を売却することで利益を得る投資です。スタートアップにとっては、大きなリターンを得ることができることからイグジットの有力な選択肢となっています。

 

・再生投資

バイアウト投資の一つであり、経営不振や後継者不在の企業を買収し、経営陣派遣による経営改善などによって、企業価値を高めたあとに企業売却して利益を得る投資です。

ベンチャーキャピタル(VC)のビジネスモデルは?

ベンチャーキャピタルは、組織や投資先など様々ですが、結局は、買収した企業の株式や事業を再び売却することにより利益を得ることがビジネスモデルの基本です。

ベンチャーキャピタルは、投資家などから資金を集め、将来性のある投資先を選び、経営支援を行って事業や経営を磨き上げ、企業価値を高めた後に、株式や事業を売却することで利益(キャピタルゲイン)を得ています。

 

VCが行うステップ    活動内容 VCの利益    利益の詳細 
資金集め 投資ファンド組成 管理報酬 ファンドの維持管理費用
投資活動 投資先の発掘、評価 管理報酬 投資先発掘、DD費用など
投資先の支援 企業の磨き上げ 支援報酬 人件費など支援費用
株式などの売却 キャピタルゲインの最大化   成功報酬 投資額と売却額の差額

 

ベンチャーキャピタル(VC)の資金源は?

日本のベンチャーキャピタルは、銀行など金融機関の関連会社や事業会社系、商社系、など大企業関連のベンチャーキャピタルが主役となっています。これらは、出資元の大企業が、投資リターンの目的以外にも、事業シナジーや事業領域拡大など戦略的な狙いを持っているため、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と呼ばれています。最近では、大学系や政府系のベンチャーキャピタルも数多く見かけるようになりました。 

また、CVCや大学系、政府系のいずれにも属さす、独自の資金調達や、成長ステージや業種に特化するなど独自の戦略をもつ独立系のベンチャーキャピタルも増えています。

ベンチャーキャピタル(VC)の背後にいる投資家たち

ベンチャーキャピタルは、投資事業組合(ファンド)を通じて投資を行います。金融機関や機関投資家などからファンドへの出資を募り、そのファンドの運営・管理を行います。

ベンチャーキャピタルに出資する投資家には、次のような種類があります。

 

・機関投資家

機関投資家とは、保険会社、信託銀行、政府系金融機関など、大量の資金を使って株式や債券で運用を行う大口投資家のことをいいます。

 

・事業会社

近年、事業会社は、自社と事業シナジーが高く将来性のあるベンチャー企業に積極的に出資しています。ファンドの運用は事業会社の投資部門や投資子会社で行うことが多いですが、外部のベンチャーキャピタル(VC)に運用を委託することもあります。

 

・ファミリーオフィス

ファミリーオフィスとは、日本ではあまり馴染みがありませんが、欧米では、財を成した一族が保有する事業や資産の保全や運用を管理するプライベートな組織が存在します。資産管理、法律、税務会計などの専門家で構成されています。

 

・個人投資家

個人投資家とは、法人として投資を専門に行う機関投資家の対義語で、個人の資産を株式、外貨など金融資産に投資する人を指します。最近では、デイトレーダーや、専門知識を持たない主婦や会社員などの個人投資家が増えつつあります。

ベンチャーキャピタル(VC)はEXITでリターンを得る

ベンチャーキャピタルが取得したスタートアップの株式を売却し、リターンを得ることをEXIT(イグジット)と言います。IPO(株式公開)と、相対取引によって株式を売るバイアウト(M&A)が主流となっています。

IPOとは

IPOとは、「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略称です。未公開企業が新たに証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることを言います。

上場することにより、直接金融市場から広く資金調達することが可能となり、また上場することで社会的な信用を高めることができるといったメリットがあります。また、金銭的なリターンも大きく、ベンチャーキャピタルにも投資先企業にとっても魅力的な選択肢です。

バイアウトとは

バイアウトとは、経営権取得を主な目的として議決権の過半数となる株式を取得する企業買収を指します。バイアウトの手法としては、経営者が自社の株式を取得するMBO(マネジメント・バイアウト)、従業員が自社の株式を取得するEBO(エンプロイー・バイアウト)、買収先の資産およびキャッシュフローを担保に資金調達を行って株式を取得するLBO(レバレッジド・バイアウト)などがあります。

買収側にとっては新たな事業領域や市場の取得、買収される側とベンチャーキャピタルにとっては相対的取引であるため、IPOと比べて短い期間での金銭的なリターンが実現できることが魅力となっています。

EXITによるリターン獲得事例

国内でも多くのEXITによりベンチャーキャピタルが利益を出した事例があります。IPOやバイアウトによる金銭的なリターン獲得事例は次の通りです。

 

・KDDIのソラコム買収

2017年、KDDIはIoT通信プラットフォーム「SORACOM」を提供するソラコムの株式を取得し、連結対象のグループ会社としました。買収額は非開示とされていますが、数百億円の規模といわれており、スタートアップ企業としては破格の金額となっています。

 

・楽天のFablic買収

2016年、楽天は、フリマアプリサービスを提供する株式会社Fablicが発行している株式のすべてを数十億円で取得し、完全子会社化しています。フリマアプリ市場を牽引している「メルカリ」を追撃する態勢を構築する目的とされています。

 

・マネックスのコインチェック買収

2018年、インターネット証券会社マネックスグループは、仮想通貨の取引業を行うコインチェックを36億円で株式のすべてを取得し、完全子会社としました。流出事件もあり話題性の高いイグジットです。

 

・メルカリのIPO

2018年、フリマアプリサービスを提供するメルカリのIPOにより主要株主であったベンチャーキャピタルや投資家は数百億単位のリターンを手にしました。

ステージごとの期待リターン

ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業の成長段階に応じてステージを分けています。「シード」や「アーリー」などの言葉がそれにあたります。

それぞれのステージによって期待リターンや資金の目的も違ってきます。

ベンチャーは、シード⇒アーリー⇒ミドル⇒レイヤーと成長していきます。もちろん、業種や金額規模などで各ステージの差があります。

 

シード       アーリー        ミドル         レイター        
製品・サービス 

           

プロトタイプ 市場投入 市場での認知度向上 一定のシェア、新製品投入
売上・利益 

 

売上無し、利益なし        赤字基調  黒字化の可能性が高まる         キャッシュフローの黒字化        
資金需要

 

起業資金 運転資金・設備投資        成長資金 成長資金・新事業投資資金

 

シードなど成長の初期段階ほど事業が失敗するリスクが高く、投資家や投資家が期待するIRRが変わってきます。IRRは厳密にはとても難解ですが、「投資期間内における1年あたりの利回り」です。

 

シード        アーリー        ミドル      レイター      
主な資金調達法       

 

自己資金、ファミリー資金    エンジェル投資家、VC   金融機関、VC    金融機関IPO,M&A 
IRR

 

リターンが100倍超えも 50~80% 30~50% 20~30%

 

ベンチャーキャピタル(VC)から支援を受ける理由 

ベンチャーキャピタルから支援を受ける理由は企業によって様々で、資金以外のメリットを重視して支援を受ける企業もあります。

支援を受けるスタートアップ企業のメリット、デメリットはどのようなものがあるでしょう。

スタートアップ側のメリット

① 資金調達の多様性が広がり、結果会社の評価が上がる

ベンチャーキャピタルから投資を受けると、「この会社はVCに評価されている」とみなされ、投資家などからの評価が高まります。そのため、追加出資など資金調達の多様性が広がります。

 

② 事業パートナーが広がる可能性がある

ベンチャーキャピタルは複数の企業に投資をしており、出資先の業種の最新の情報が手に入ります。そのため、スタートアップをより魅力のある企業に成長させるため、出資先企業同士の連携や事業拡大に向けた最適な企業の紹介などスタートアップに有用な提案をしてくれる可能性があります。

 

③ プロフェッショナルな経営支援を受けられる

ベンチャーキャピタルの重要な役割として、投資先の事業や経営の磨き上げがあります。そのため、経営経験の豊かな役員の派遣などの経営支援を受けることできます。

スタートアップは、人材の限界があり、経営や業界のノウハウやスキルが不足している場合がありますので、ベンチャーキャピタルの支援により更に成長軌道に乗せることができるようになります。

スタートアップ側のデメリット

① ベンチャーキャピタルに経営の主導権を握られてしまう

デメリットの一つは、経営の主導権を握られてしまうことです。お金や役員などの支援により、場合によっては、起業家の思い通り事業を進められなくなってしまうこともあります。スタートアップが目指している経営プランとベンチャーキャピタルの注文をどのように調整していくのかが問われるシーンも出てきます。

 

②成果を出すことを強く求められる

ベンチャーキャピタルの目的は、スタートアップの事業を成長させることによって出資した資金以上の資金を回収することです。そのためスタートアップは事業計画、特に売上・利益などの財務的結果を強く求められます。経営状況が思わしくないと事業計画の大幅な変更を迫られたり、最悪の場合、出資した資金を早めに回収されるたりする可能性があります。

ベンチャーキャピタル(VC)の投資基準

スタートアップにとってベンチャーキャピタルから投資を受けることは一種のステータスです。世の中での認知度の向上や資金調達の多様性など、デメリットよりもメリットがはるかに大きくなります。

もちろんすべてのスタートアップが投資を受けられる訳ではありません。ベンチャーキャピタルから投資を受けたいと考える場合には、投資を行う場合の判断基準を理解する必要があります。

IPOが狙える

ベンチャーキャピタルが求める最も重要な判断基準は、巨額のリターンが期待できるIPOが狙える可能性があるかどうかにつきます。当然、事業の成長性が期待したほどではなく事業半ばで消滅するベンチャーは少なくありません。ハイリスク・ハイリターンを狙うベンチャーキャピタルですので、まずは、IPOなど金銭的なリターンの期待可能性が重要な投資判断基準です。

狙う市場に高い成長性がある

ベンチャーキャピタルは、スタートアップが早く大きく成長するかよりも、創出する市場そのものがいかに大きく成長するかを重視します。現在の規模よりも数年後の市場規模と市場の成長スピードが重要なポイントとなります。

財務戦略の明確さ

事業計画書は、ベンチャーキャピタルが投資をするための基礎資料です。ベンチャーキャピタルは、市場動向・業界情報等を調査し、事業計画の実現可能性を含め事業の将来性を検討します。特に、売上(市場規模)、利益、黒字化するまでの必要な資金などの財務戦略をスタートアップがきちんと明快に描けているかを重視しています。

社長や役員、従業員に魅力がある

初期のステージの場合、必ずしも完璧に経営メンバーが揃っている必要はありません。しかし、リターンを得るための最低限の要素として魅力ある人材がそろっている必要があります。充分でない要素も「充分には足りていない」と認識されていることが重要です。足りていない要素は、ベンチャーキャピタルが補完して支援を行うことになります。

独自の技術を持っている

ベンチャーキャピタルは、スタートアップが他の企業と差別化された優位性を持っているかを重要視します。特に、今後市場に提供していく技術が既存技術や競合先に比べて差別化された優位性を確保していることが重要となります。

ベンチャーキャピタル(VC)がIPO銘柄に与える影響と注意点

株式投資、特にIPO投資に興味のある方は、投資先のベンチャーキャピタルの動向はとても気になるところです。実際、成長性の期待できるIPO株式には有力なベンチャーキャピタルが株主となっていることがよくあります。

ベンチャーキャピタル(VC)保有の場合は人気となる!?

IPO株式にどういったベンチャーキャピタルが名を連ねていくのかを確認することは、IPO投資を行う上でとても重要です。ベンチャーキャピタルが株主であることは、言ってみれば投資のプロであるベンチャーキャピタルがその企業の成長性や収益性を評価していることです。また、IPO実現までの過程で経営支援などにより、企業価値を高めていますので、株価上昇の可能性が高いと判断され、人気化する傾向が高くなります。

ロックアップ期間は必ずチェックする

IPO投資で気を付けなければいけないポイントは「ロックアップ期間」です。

「ロックアップ機関」とは、IPO前の大株主(起業家、ベンチャーキャピタルなど)が株式公開後いつになったら自由に株を売却できるようになるかを示す期間です。ロックアップ期間終了後に、大株主が保有株を売り始めることはよくあるケースですが、結果として、需給が緩む(売り圧力が強くなる)ので株価が下がる傾向にあります。

ベンチャーキャピタル(VC)は、企業が成功するための重要な鍵!

ベンチャーキャピタルのビジネスモデルについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか? 現在では、ベンチャーキャピタルはスタートアップに欠かせない存在となっており、資金の出し手だけの役割に限らず、経営支援、起業家のネットワークづくりなどいろんな局面で支援を行っています。

スタートアップにとって、企業が成功するための重要な鍵となりますので、どのベンチャーキャピタルとパートナーシップを組むのかを決断できる知見が必要です。

 

 

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