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2020.03.02

投資家の種類と運用方法の違いとは

投資家には様々な種類があり、種類の違いによって運用方法も異なります。

長期的にじっくりと事業を発展させて利益を得ることを計画しているのに、短期的に利益を得ることを目的としている投資家から出資を受けたのでは、計画の達成が困難になります。

出資を受ける際には、投資家の種類や運用方法の違いをしっかりと押さえた上で、自社にとってより適当な投資家を選ぶことが必要です。

今回は、出資を受ける際に役立つ、投資家の種類と運用法の違いについて、解説します。

投資家の役割

投資家の役割には、「市場に資金を供給する役割」と「資金を適切に分配する役割」の2つがあります。

市場に資金を供給する役割

投資家には、市場に資金を供給するという役割があります。

多くの企業は自己資金のみで設備や人材に投資を行うことができず、投資家やベンチャーキャピタルからの投資や銀行などからの融資によって資金を調達します。そうした資金調達を応援するのが投資家の役割であり、このお金のサイクルによって経済が発展してきました。投資家が市場に資金を供給する役割を担うことで、資金が市場に流れ、より一層活発に企業活動が行われるようになります。

資金を適切に分配する役割

企業の事業内容や成長性を見極める目を持った投資家の存在は、資本市場における資金を適切に分配させて経済を発展させるために必要不可欠です。

先進的なビジネスを行っている会社や専門的な事業内容の会社の場合、どれだけ優れたビジネスを行っていたとしても、そのことを広く社会一般に分かってもらうことは容易ではありません。

優れた事業と優秀な従業員を持つ会社が資金不足のために事業を行えないとしたら、それは社会全体にとって大きな損失となります。

投資家は、そのような会社を見つけ出して投資を行うことで、当該会社を成長させ、ひいては経済全体を発展させるその役割を持っています

投資家の種類

投資家は、大まかに「個人投資家」、「機関投資家」、「外国人投資家」の3種類に分けられます。

個人投資家

個人投資家とは、文字通り個人で投資をしている人たちのことです。

日本取引所グループが行った調査によると、2018年度の個人株主数(延べ人数であり、個人株主数=個人投資家数ではありません。)は5,473万人で、5年連続で増加しています。

https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/examination/01.html

個人投資家は、それぞれ自らの好みに沿って投資をしていることから、人によってその投資手法は千差万別です。

例えば、移動平均線などのテクニカルチャートの分析だけをして、早い時には数分の間に売買を繰り返す人もいれば、企業の事業内容や成長性を見て、中長期スパンで投資をする人もいます。

また、お小遣い稼ぎのつもりで気が向いた時に投資をする人、将来のためにコツコツ投資をする人、投資を本業にする人などさまざまです。

NISA制度が始まったり確定拠出年金制度(イデコ)の利用対象者や掛金限度額が拡大されたりしたことにより、少額から投資を始める個人投資家の人たちも増えてきています。

機関投資家

機関投資家とは、顧客から預かった資金を株式や債券等で運用する会社や財団などのことです。機関投資家の運用する資金は巨額であることから、機関投資家による売買は市場へ大きな影響を与えます。

機関投資家は、一般的に生命保険会社、損害保険会社、年金基金、投資信託会社、投資顧問会社などの企業や団体を指します。 

では、それぞれの企業や団体について詳しく説明します。

生命保険会社

生命保険会社は、保険契約者が支払った保険料を運用資産の元手にしています。

損害保険会社

損害保険会社も、生命保険会社と同様に、保険契約者が支払った保険料を運用資産の元手にして運用しています。

年金基金

年金基金の場合は、年金加入者が支払った保険料が元手になっています。日本の機関投資家の中でも、特に有名なGPIF(Government Pension Investment Fund)は、日本語名を「年金積立金管理運用独立行政法人」といい、年金積立金を原資にしている厚生労働省管轄の団体です。160兆6,687億円(令和元年6月末現在)もの資産を持ち、世界的にみても最大規模の機関投資家といえます。

https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html

東進信託会社

投資信託会社は、不特定多数の個人投資家などから集めた資金をまとめて投資を行う企業です。証券会社や銀行で販売している投資信託商品(ファンド)を作って運用しています。

この場合、運用資金は個人投資家が出していますが、そのお金が全て集まった受託資産残高を運用するのは、投資信託会社になります。投資信託会社としては、「大和証券投資信託委託」や「みずほ投信投資顧問」などが有名です。 

投資顧問会社

投資顧問会社は、株式投資について投資家に助言する会社のことです。投資顧問会社の中には、助言だけでなく、投資家からの委託で資金を集め実際の運用も行うところもあります。長期で安定した運用を得意とするところから短期で大きな利益を狙うところまで、企業により運用手法はさまざまです。

外国人投資家

外国人投資家は、海外に拠点を置きながら日本の株式市場で売買をしている個人や機関投資家のことで、海外の年金基金や投資信託会社、ヘッジファンドなどが含まれます。また、外資系運用会社の日本支社も含まれます。

外国人投資家は、日本市場において非常に強い存在感があります。

日本取引所グループが発表している投資部門別売買状況によると、平成30年の株式売買代金(東証1部)の7割以上を海外投資家が占めています。

https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/00-02.html

投資家による運用方法の違い

投資家の好みや投資目的によって、運用方法はさまざまです。運用方法についてみていきましょう。

長期・安定的な投資をしている保険会社や年金基金

長期・安定的な投資とは、短期間で売買をくり返すことなく、長期にわたって金融商品をそのまま持ち続ける投資のことです。

投資のリスクをできる限り減らしながら安定的に資産を増やしていくためには、長期間にわたる積立・分散投資が有効と考えられています。

保険会社の運用

生命保険は、顧客の資産を減らさないということに重点を置いているので、保険会社があまり強気一辺倒な運用ができないように国がルールを設けています。

そのため保険会社の保有している資産を分析すると、保険会社によっても異なりますが、大体数十%は公社債です。公社債と言うのは日本国債や、地方自治体が発行する地方債、企業が発行する社債などで、極めて安全性が高いとされている資産です。

例えば、大手保険会社の1つである日本生命保険相互会社では、平成30年度末の一般勘定資産66兆8,267億円のうち約35%を公社債が占めています。

他にも株式や不動産などに資産を配分していますが、株式は約13%、不動産は約3%程度しかなく、資産の主役は公社債といえます。

https://www.nissay.co.jp/kaisha/otsutaeshitai/shisan_unyou/houshin/

年金基金の運用

年金基金の運用の基本的な考え方は、次のとおりです。

(1)数十年といった長期間にわたって運用資産を持ち続ける「長期運用」によって、安定的な運用成果を目指しています。

(2)異なる価格の動きをする複数の資産に投資する「分散投資」をして、安定的な運用成果を目指しています。

これらの考え方に基づき、年金積立金は、異なる価格の動きをする複数の資産に分散投資され、最低限のリスクで運用されています。具体的には、国内外の債券や株式に幅広く分散投資してされており、年金積立金の資産構成割合は、国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%となっています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei/tsumitate/tsumitatekin_unyou/donoyouni_unyou.html

長期投資によるメリット

長期投資のメリットとしては、以下のようなものがあります。

 

・リターンが安定する

基本的に投資は長期であるほど安定するとされており、これを「リスクの時間分散効果」といいます。長期投資の場合、ある一定の期間では株価が下がって一時的に購入額を下回る状態になってしまったとしても、そのまま持ち続けることで、株価が上がって購入額を上回る状態になることがあります。

もちろん、その逆もあるのですが、そのような上がり下がりを繰り返すと、長期的には安定したリターンへ落ち着くことになります。

 

・定期的なリターンが得られる

配当金、株主優待、金利といった継続した収益が得られるのも長期投資のメリットです。

これらは、株式を長期間保有すればするほど得られる総額が大きくなる利益です。

また、短期間の保有の場合、配当金の額などは保有している期間における企業の業績に大きく左右されてしまいます。長期間保有する長期投資でこそ、配当や金利のような収益は安定したものになります。

 

・余裕が持てる

短期的な売買に比べて、長期投資のほうが取引に余裕を持つことができます。この「余裕を持つ」というのには2つの意味があります。

ひとつは「市場の動きを常に見張っている必要がない」という意味です。市場の動きを常に見張っている必要がないというのは、専業ではない投資家にとっては大きなメリットです。

もうひとつは「判断するまでにじっくりと考えて分析することができる」という意味です。判断するまでにじっくりと考えて分析することができるので、的確な判断ができる可能性が高まります。

 

・順調なら利益はどんどん大きくなる「複利効果」

投資では、運用する資金が大きいほどリターンも大きくなります。

長期投資では、投資で得られた利益を再度投資することができ、時間が経てば経つほど運用できる資金が増えていくことから、得られるリターンもどんどん大きくなっていきます。

これは「複利効果」と呼ばれます。

「複利効果」は、長期間投資すればするほど効果が大きくなります。例えば、100万円を年利5%で30年間運用した場合、税金や手数料を無視すると、投資で得られた利益を再度投資しなかった場合の資産額は250万円ですが、投資で得られた利益を再度投資した場合の資産額は約430万円となり、200万円近くの差が生じることになります。

長期・安定的な投資をしている機関として、保険会社や年金基金があげられます。

短期的な売買をする投資顧問会社

短期的な売買とは、保有する株式等が値上がりしたら直ぐに売却をする投資手法のことをいいます。

短期的な売買の最大のメリットは、短期投資が短い時間、期間で売却を試みる手法であることから、限られた短い期間で利益を得られる可能性があることです。

短期的な売買には、大きく分けて「デイトレード」と「スイングトレード」という2通りの手法があります。いずれも、買った時と売った時の株式等の価格差で儲けることを狙うものです。

 

・デイトレード

株式を購入してから早ければ数分程度、遅くとも当日中には当該株式を売却する方法です。

取引可能時間中はいつでも取引が行えるようにしておき、株価に動きがあればすぐに購入と売却を繰り返します。

1回の購入と売却では大きな利益は求めず、多数回の売買を繰り返すことで利益を少しずつ増やしていくことを狙います。

スイングトレードや長期投資に比べると値動きの幅が小さいうちに取引をするため、リスクの少ない方法といえますが、瞬時の判断力が必要とされます。

 

・スイングトレード

株式を購入してから数日から1か月程度保有し、その時の株価の状態を見て売却を行う方法です。

例えば、決算発表の直前に、好業績が予想される企業の株式を事前に購入しておき、決算発表後に株価が上昇したところを見計らって株式を売却するといった方法をとります。

決算内容が良かった場合には大きく株価が上昇して、デイトレードより大きな利益を得ることができる反面、決算内容が悪かった場合には大きく株価が下がり、損失が膨らむこともあります。

投資顧問会社の運用方法

短期的な売買をしている機関として、投資顧問会社があげられます。

投資顧問会社は、顧客から預かった資産を運用し、運用手数料と運用益の一部を報酬として受け取る会社のことです。顧客から投資一任を受ける場合と投資情報の提供だけを行う場合があります。投資顧問会社は個々に特徴を持っており、ヘッジファンドのようにハイリスク・ハイリターン投資を得意とする会社もあれば、年金運用のようなリスク限定の長期運用を行う会社もあります。運用対象は証券にとどまらず、不動産や通貨など広範な対象を扱います。個人でも運用を依頼することは可能ですが、運用単位は最低でも億円単位なので、一部の超富裕層向けのプライベート・バンキングに限られます。

海外の機関投資家の運用方法

海外の機関投資家には、ヘッジファンド、ファンド、年金基金、政府系ファンドなどがあり、それぞれ運用方法が異なります。

 

ヘッジファンド

海外のヘッジファンドは資金力がかなり大きく、市場への影響力も絶大です。

海外のヘッジファンドとしては、アメリカのブリッジウォーター・アソシエイツなどが有名です。海外のヘッジファンドの運用方法として最近増えているのは、コンピュータを使った超短期的取引です。

例えば、コモディティ・トレーディング・アドバイザー(Commodity Trading Advisor、略してCTA)という業者がいます。CTAは、現物取引を一切行わず、先物とオプションに特化した取引を行います。CTAが行う取引のほとんどは、金融工学を駆使して作られたコンピュータプログラムに基づいて自動的に行われるため、高速かつ激しい売買が繰り返されます。 

また、ハイ・フリークエンシー・トレーディング(High frequency trading、略してHFT)という取引手法もあります。HFTとは、1000分の1秒単位で売買注文を出す、超高速・高頻度取引のことで、小口の取引を大量に行い、わずかな利ざやを大量に積み上げることで大きな利益を得ることを目指します。

ファンド

海外のファンド(投資信託会社)も、日本市場における取引高が大きく、市場への影響力が強いです。

海外のファンドは、ヘッジファンドと異なり、中長期の取引を行うことが多いです。

年金基金

海外の年金基金も大きな投資を行う団体のひとつです。海外の年金基金は、日本の年金基金と同じく年金積立金を安定的に運用することが目的であることから、超長期投資を運用方法の基本としています。

海外の年金基金には、アメリカのCalPERS(カリフォルニア州職員退職年金基金。平成31年3月末の資産規模は40兆円。)やノルウェーのGPF-G(ノルウェー政府年金基金-グローバル。平成31年3月末の資産規模は115兆円。)などがあります。

https://www.gpif.go.jp/gpif/faq/faq_07.html

政府系ファンド

政府系ファンドとは、各国の政府が出資する政府系投資機関が運営するファンドのことです。

政府系ファンドは、石油、ガスなどの天然資源による収入や、貿易黒字による外貨準備金などの国家資産を財源として、次世代に向けた資金の蓄え、財政赤字の穴埋め、対外債務の支払いなどの目的で運用を行います。

政府系ファンドの運用方法は、1年未満で償還される債権(短期債)などの安全資産で安定的に運用するところもあれば、株式や不動産などのリスク資産で積極的に運用するところもあり、国によってまちまちです。

政府系ファンドには、アラブ首長国連邦のアブダビ投資庁(ADIA)、サウジアラビアのサウジアラビア通貨庁(SAMA)などがあります。

投資家の種類で変わる運用方法

いかがだったでしょうか。投資家は、個人投資家、機関投資家、外国人投資家の種類があり、運用方法についても短期間で売買をくり返すことなく、長期にわたって金融商品をそのまま持ち続ける長期・安定的な投資と、保有する株式等が値上がりしたら直ぐに売却をする短期的な売買という2つの方法があることを解説してきました。

投資家の種類や役割、投資の運用方法を理解して、自身の事業や運営に役立てていただければ幸いです。

 

 

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