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2019.11.05

大手ベンチャーキャピタルはここ!VCは大型化している

ベンチャーキャピタルとは、ハイリターンを求めてスタートアップ企業等に積極的な投資を行う投資家です。最近では、株式未公開のベンチャー企業や事業承継・事業再生の株式などに投資し、投資先企業が株式公開やM&Aを行った時に、 株式を売却しキャピタルゲインを獲得するビジネスモデルが増えています。今回はベンチャーキャピタルの中でも大手に着目しました。

 

ベンチャーキャピタル(VC)の仕組み

ベンチャーキャピタルの基本的な仕組みは、下図の通りです。

  • 資金調達

ベンチャーキャピタルは、金融機関などの機関投資家から運用資金を集め、その資金を原資としてベンチャー企業に出資します。

 

  • 投資

ベンチャーキャピタルは、有望なスタートアップ企業を発掘するためにイベントを開催したり、経営者からの紹介で投資先を探します。イベントや紹介などで出会った投資先候補の中から、将来性のある投資先を選定し、具体的な審査に入ります。

審査のために企業の価値を査定するデューデリジェンス(投資を行うにあたって、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること)が行われます。スタートアップ企業のバリュエーション(企業価値評価)を算定し、最終的に投資価格を決定することになります。

 

  • インキュベーション

インキュベーションとは、投資先の企業価値を高めるために、様々な経営支援を行うことです。経験豊富な人材を投資先経営陣へ派遣したり、経営コンサルティングによる支援を行います。

 

  • 資金回収

投資先の企業が成長し上場(IPO)を果たすと、ベンチャーキャピタルは投資先企業の株を売却することで投資資金を回収します。また、投資先企業がM&Aにより他の企業に買収されることでも投資資金を回収することができます。このように、投資先企業が上場(IPO)やM&Aを実施することで、ベンチャーキャピタルはキャピタルゲイン(利益)を獲得します。

 

分配

上場やM&Aの売却益で得たキャピタルゲインは、出資をしてもらった投資家に分配されます。

 

ベンチャーキャピタル(VC)の種類

ベンチャーキャピタルにはさまざまな種類があり、特徴があります。出資を受ける時にはそれぞれの特徴を把握した上で自社の成長に最適なパートナーを選択する必要があります。

以下の種類は一例ですが、商社系、通信系、独立系など、様々な業種や規模のベンチャーキャピタルがあります。

 

ベンチャーキャピタル(VC)の種類

種類 特徴 代表例
公的ベンチャーキャピタル ・政府や公的な機関によって運営されている
・民間ファンドでは出来ないリスクテイク機能を持った
東京中小企業投資育成
産業革新機構
金融系ベンチャーキャピタル ・銀行、証券会社など金融機関が運営している
・金融機関の種類によって投資姿勢が異なる
SMBCベンチャーキャピタル
野村証券系ジャフコ
事業会社系ベンチャーキャピタル ・投資を本業としない通常の事業会社の傘下にある
・事業者の経営戦略に沿った投資先が選定される傾向にある
NTTドコモ・ベンチャーズ

 

ベンチャーキャピタル(VC)の歴史

ここまでベンチャーキャピタルの役割や種類が把握できたところで、続いて、ベンチャーキャピタルの歴史について解説します。

ベンチャーキャピタルはアメリカで誕生し、成長・発展を遂げてきました。アメリカ初のVCであるAmerican Research & Development(ARD)の設立者たちが、多民族国家として成り立つアメリカ経済は大手企業の発展のみでは成長しないとし、無数にあるスモールビジネスを経営している中小企業が成長することでアメリカ経済を発展させる仕組みが必要と提唱。これを受けて、1958年に米国中小企業庁がSmall Business Investment Company制度を開始しました。

この制度によって、アメリカではVCが広く浸透することになりました。多くの中小企業のオーナー達が、この制度を活用してアメリカンドリームを実現していったのです。

その後、ITバブル崩壊やリーマンショックなど幾多の低迷期はありましたが、2016年の資金調達額は、4.6兆円の規模に達しているそうです。アメリカでは、IPO段階では売却せずに、より企業価値を高め、ハイリターンを得ることができるM&Aによりエグジットをするパターンが増えています。

日本では、1970年代に最初のベンチャーキャピタルが誕生しました。アメリカ同様、社会・経済環境の変化による浮き沈みはあるものの着実に成長してきています。

最近では、AIやIoTにより第四次産業革命を勝ち抜いていくため、上場企業も自社の事業と関連性のあるベンチャーに投資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の設立も増えています。

 

日本とアメリカのベンチャーキャピタルの歴史

日本 アメリカ
1940年代 1946年初のVCであるAmerican Research & Development(ARD)設立
1950年代 シリコンバレー初のVCとなるArthur Rock社が設立
1960年代
1970年代 日本初のVCであるKED社の設立
野村証券系JAFCOの設立
米国最大手VCであるKleiner Perkins Caufield & Byers社の前身が設立
ナスダック市場の創設
1980年代 日本初の投資事業組合組成 規制緩和(金融再編)
ベンチャーの勃興
1990年代 エンジェル税制
ストックオプション制度
ナスダック・ジャパン市場の創設
インターネットの解放
Window95(マイクロソフト社)
2000年代 ベンチャー不祥事(ホリエモン)
リーマンショック
インターネットバブルの崩壊
サブプライム問題
2010年代 第四次産業革命の本格化
CVCの拡大
AI,IoT等IT技術の劇的な発展

 

日本の大手ベンチャーキャピタル(VC)

先述したように、日本のベンチャーキャピタルはいくつかの種類に分類されます。ベンチャーキャピタル事業を中核事業とする「独立系」、金融機関のグループに属する「金融系」、事業会社が自社の戦略のために行なう「コーポレート系」などです。

また、「業種特化型」「成長ステージ特化型」「事業承継型」など特化した投資先を専門とするベンチャーキャピタルもあります。運用規模や実績に定評のある有名なベンチャーキャピタルをご紹介します。

 

日本の最大手ベンチャーキャピタル(VC):ジャフコ

ジャフコは1973年に設立された、日本のベンチャーキャピタルのパイオニアです。スタート時は野村証券系でしたが、現在では事実上独立している日本最大のベンチャーキャピタルです。ベンチャー投資及びバイアウト(M&A)投資を中心に行っており、シリコンバレー、北京、シンガポールなどに拠点を持ち、グローバルなネットワークを有しています。

ステージ別の投資先としては、スタートアップやアーリーの比率が高いことが特徴です。 成功確率の高いミドルやレイターではなく、成功するかどうか不透明なスタートアップ・アーリーへのリスクをとった投資姿勢がジャフコの魅力です。結果として、ベンチャー企業の株式上場支援では、累計投資先上場社数1,002社の圧倒的なトラックレコードを有しています。

 

独立系VC(ベンチャーキャピタル):グローバル・ブレイン

グローバル・ブレインは、機関投資家や事業会社を出資者とするファンドの運用やソニーやKDDIなどの事業会社とのコーポレートベンチャーキャピタルファンド及び共同投資事業を行っています。

特徴は、投資領域がコマース、Disruptive Technologies(破壊的技術)、ゲーム、メディア、教育、Cloud、Ad、IoT、Fintech、Other と幅広い事。投資領域ごとの地域別・投資ステータス別でポートフォリオを公開しています。

 

金融系VC(ベンチャーキャピタル):SMBCベンチャーキャピタル

SMBCベンチャーキャピタルは、三井住友銀行グループを主要株主とする金融系ベンチャーキャピタルです。過去には、大和証券グループの合弁事業解消や日興コーディアル証券の買収など金融再編を経て、現在では金融系として屈指の投資・運用実績を誇っています。

2010年度以降、累計での投資件数は500件超・投資金額は300億円超となっています。

特徴として、初期ステージであるスタートアップ、アーリーステージの企業へ積極的投資を行っています。投資先はIT業界とサービス業界が多いですが、他の領域にも幅広く投資しています。

 

事業系VC(ベンチャーキャピタル):NTTドコモ・ベンチャーズ

NTTドコモ・ベンチャーズは、ベンチャー企業とNTTグループとの協創を推進するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)です。

投資領域は、NTTグループの事業と関連性の高い、ICT技術、IoT分野、プラットフォーム、アプリケーション、サービス、コンテンツなど情報通信関連分野の全般となっています。

投資先は原則としてNTTグループ各社との協業、または協業可能性が見込めるベンチャーであり、基本的に全ステージが対象となっています。

 

世界の大手VC(ベンチャーキャピタル)

 海外に目を向けると、圧倒的な存在感を示すのがアメリカと中国です。

例えば、ユニコーン企業。ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル以上ある未上場の企業です。アメリカには110社を超えるユニコーン企業があり、中国にも55社あります。当然、ベンチャーキャピタルの投資件数や投資金額は日本と桁違いの水準となっています。

ここでは海外大手のベンチャーキャピタルを紹介します。

 

セコイア・キャピタル(Sequoia Capital)

セコイア・キャピタルは、米国シリコンバレーに拠点を置く、世界最大規模のベンチャーキャピタルです。その資産運用額は、1兆5000億ドルを超えるとされています。

主な投資先には、アップルやYahoo、Google、Youtube、Instagramなど、錚々たる企業が名を連ねています。イスラエル、インド、中国などへグローバルネットワークを構築して、積極的な投資を展開しています。

 

ファースト・ラウンド・キャピタル(First Round Capital)

フィラデルフィアに拠点を置くファースト・ラウンド・キャピタルも、セコイア・キャピタルとは異なった投資スタイルで注目を浴びています。

有名な投資先は、UberやPinterestなど。ポートフォリオは決して大きくありませんが、シードステージの企業への投資を中心に行っていることがその理由です。また、VCのグローバル投資が広がる中、投資先のほとんどをアメリカに限定していることも大きな特徴です。

 

テンセント

中国のベンチャーキャピタル市場も爆発的に拡大しています、BAT(百度(バイドゥ)、アリババ、テンセント)に代表される「スタートアップ出身の上場企業」が積極的にベンチャー投資を行っていることがその原因の一つです。

例えば、WeChat(ウィーチャット)によって中国で絶対的な存在感を持つテンセント。テンセントは、投資企業数でも113社と最大を誇り(2017年度)、投資領域も広範な分野に投資しています。IT分野を中心に幅広い領域に投資を行い、バランスのよいポートフォリオを構築しています。

 

ベンチャーキャピタル(VC)は大型化している

2017年、ソフトバンクは1000億ドルの巨大ファンド(史上最大)の募集を完了したことを発表しました。サウジアラビアなどグローバルでの投資家と連携して、運用規模は10兆円を超える投資ファンドが組成されました。

巨額資金の出し手の登場は、スタートアップ市場をにぎわすと同時にベンチャーキャピタルにどのような影響を与えていくのか注目を集めています。

 

ディールの巨大化

ディールは「投資案件」のことです。また、「巨大化」とは投資案件1件当たりの投資金額が巨大化することを指します。2018年、アメリカのベンチャー投資はドットコムバブルで湧いた2000年に次いで2回目となる1,000億ドルを超える水準を達成しました。一方、投資案件数は2015年をピークに減少傾向にあり、「1件当たりの強大化」は年々進んでいます。

ディール巨大化の要因としては、投資資金の出し手の変化が背景にあります。

1つには、伝統的なベンチャーキャピタルの投資額が巨大化していることです。伝統的なベンチャーキャピタルは、ベンチャーに特化し、期間を限定する戦略をとっています。最近のIT技術の想像を超える成長スピードが、投資金額の巨大化に繋がっています。

2つ目には、資金の出し手が多様化したことにあります。伝統的なベンチャーキャピタルとは異なった投資戦略(投資期間、規模、成長ステージ等)をもつ投資家が増えています。例えば、自社の事業戦略を加速するために投資を行うコーポレートベンチャーキャピタルや、一般投資ファンドを中心としていたPE(プライベート・エクエティ)もベンチャー投資を増やしています。

 

VCの統合

巨大な大型ファンドの登場やディールの巨大化は、ベンチャーキャピタル業界にどのような影響を与えるのでしょうか。

伝統的なベンチャーキャピタルは、いわば個人事業のレベル。単独または少数のベンチャーキャピタリストが「イグジットの実績を積み上げ、それをもとに金融機関や事業会社などの投資家に依頼し、次のファンドを組成していくこと」がビジネスモデルでした。

ところが、SoftBankなど超巨大なベンチャーキャピタルは、AI、IoT、ロボットなどの投資領域のプロフェッショナルを取りそろえ、マーケティング、法務、財務などバックオフイスも人材や人員規模を取り揃えています。

いわば、個人事業と大企業の戦いです。ベンチャー企業は本質的にリスクが高く、不安定なビジネスです。成長する規模やスピードも、ベンチャー企業ごとに様々です。もちろん、イグジットを迎えることなく、失敗に終わるベンチャーも少なくありません。

ベンチャーキャピタルが投資先から確実にリターンを得るためには、以下の3つの要素をカバーしておかなければいけません。

 

・シード期段階からの情報収集力

・事業化に向けたリスクとリターンの評価

・スピーディーでタイミング良く巨額の資金調達

 

ITなど、技術面や資金面でも非常に広範囲で大量のリソース(金、プロフェショナル、ネットワークなど)を持っていることが「勝ち組」として生き残る前提となっています。

遠くない将来、巨大ファンドが多くのベンチャーキャピタルを飲み込む形での統廃合が進んでいくと予想されています。

一方で、特定の技術や業種に特化したブティック型のベンチャーキャピタルも存在します。先にご紹介した、ファースト・ラウンド・キャピタルなどは、エンジェル投資、シード投資に特化することで安定的に高いリターンを得ています。また、ベンチャー企業からの高い評価も得ています。

グローバルレベルでは、銀行や投資銀行はボーダーレス経済が進展する過程の中で再編を繰り返し、現在では少数のグループが寡占するようになっています。

その意味でも、今後、ベンチャーキャピタル業界では強大なグローバル投資グループに集中度合が強まっていくことは確実と言えるでしょう。

 

【まとめ】ベンチャーキャピタルの規模や種類は多様化している

日本でもベンチャーキャピタルからの投資金額は増加傾向にあります。

ベンチャー企業が数十億円もの資金調達に成功したというニュースも目にします。アメリカと比較すると資金の出し手の面で遅れをとっていましたが、様々な事業者によるコーポレートベンチャーキャピタルや日本が主導する巨大ファンドなど、ベンチャーキャピタルの規模や種類は多様化しています。

ベンチャーキャピタルは、スタートアップに欠かせない存在です。単なる資金面の支援だけではなく、経営支援による企業価値の向上、起業家や投資家とのネットワークづくりなど…その支援内容は多岐に渡ります。

創業者はどのようなベンチャーキャピタルと手を組むべきかを見極めることが、企業が成功していく上での重要なファクターとなっています。

 

 

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